FRANK フランク

ミュージシャンになることを夢見て、曲作りに励むジョンは、入水自殺騒ぎを起こしたキーボード奏者に代わって、インディー・バンド「ソロンフォルブス」のライヴに飛び入りで参加する。ステージで彼が遭遇したのは、巨大な張りぼてのマスクを被り、「スープの中のクルトン。油に沈め！」と絶叫するフロントマン、フランクだった。メンバーたちが鳴らすのは、アヴァンギャルドでイカれたオルタナティヴ・ミュージック。ライヴの後、元の会社員生活に戻ったジョンだったが、バンドに呼び出され、メンバーとしてアイルランドでのレコーディングに参加する。 寝る時も食事をする時もマスクを被り、絶対に素顔を見せないフランクは、カンザス州出身ということ以外、謎に包まれている。ジョンは、時にエキセントリックで、でもクリエイティヴなフランクに心酔していった。 ある日、ジョンがテキサス州で開催される世界最大の音楽コンベンション「サウス・バイ・サウスウェスト（SXSW）」から声が掛かったことを報告する。密かにバンドの動画をネット上にアップし、それが一部の反響を得ていたのだ。「もっと有名になるべきだ」と考えるジョンと、異議を唱えるメンバーたち。結局、バンドはSXSWに出演するため、海を越えテキサスに向かったが……。